をもって日常その指導の局に当ろうといった決意を持っていただけるような方の、せめて一人でも二人でもできたならばと、それが大きな念願でこの演壇に立ったわけであった。
本論
先頃、本日ここに、皆様の御会合が催されますにつきまして何か一場のお話を申上げるようにとの御案内を頂きましたので、及ばずながらお引受はいたしておきましたものの、さて、平素こういった方面の研究には直接携わっておりませんので、どういったお話を申上げたならば、といろいろ考えました末、ここに掲げていただきましたような題の下に卑見の一端を申上げさせて頂こうかと存じまして、簡単に原稿を認めて参りました。しかしとくにまとまったようなお話もできず、それに先刻来きわめて有益なお話のありました後のことでもあり、かたがたまことに御迷惑のこととは存じますが、暫くの間御清聴を煩わしたいと存じます。
まず、今日の情勢を、これを文化史的に考えまして、最も私どもの目につきますその一つは、おそらくそれは、交通の発達ということでございましょう。海には汽船、陸には汽車や電車や自動車が、それに空には飛行機、なおまた、通信方面では電信・電話
前へ
次へ
全53ページ中4ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三沢 勝衛 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング