とうやう》の。
空《そら》を劈《つんざ》く日《ひ》の光《ひかり》。 海《うみ》に潜《ひそ》める大軍器《だいぐんき》※[#感嘆符三つ、53−2]
[#ここで字下げ終わり]
と言《い》ふ樣《やう》な文句《もんく》で、隨分《ずゐぶん》奇妙《きめう》な、恐《おそ》らくは新派《しんぱ》先生《せんせい》一派《いつぱ》から税金《ぜいきん》を徴收《とり》に來《き》さうな詩《し》ではあつたが、月《つき》明《あきらか》に、風《かぜ》清《きよ》き※[#「さんずい+氣」、第4水準2−79−6]船《きせん》の甲板《かんぱん》にて、大佐《たいさ》軍刀《ぐんたう》の柄《つか》を後部《うしろ》に廻《まは》し、其《その》朗々《らう/\》たる音聲《おんせい》にて、誦《しよう》じ來《きた》り誦《しよう》し去《さ》つた時《とき》には、私《わたくし》は思《おも》はず快哉《くわいさい》を※[#「口+斗」、53−6]《さけ》んだよ。勿論《もちろん》、其時《そのとき》は別《べつ》に心《こゝろ》にも留《と》めなかつたが、今《いま》になつて初《はじ》めてそれと[#「それと」に傍点]思《おも》ひ當《あた》る節《ふし》の無《な》いでも
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