日本海軍《につぽんかいぐん》。 秋《あき》の木《こ》の葉《は》の散《ち》る如《ごと》く。
海屑《もくづ》となさん勢《いきほひ》に。 進《すゝ》むや、英《エイ》、佛《フツ》、獨《ドク》、露《ロ》艦《かん》。
思《おも》ひきや。 日本《につぽん》に不思議《ふしぎ》の魔力《まりよく》あり。
これ。 俄砲《ガツトリングほう》か。 あらず。
シエルブル[#「シエルブル」に二重傍線]の水雷艇《すゐらいてい》か。 あらず。
未《いま》だ見《み》ず。 未《いま》だ聞《き》かざる大軍器《だいぐんき》※[#感嘆符三つ、52−6]
風《かぜ》のごとく來《きた》り。 風《かぜ》のごとく去《さ》り。
鯱《しやち》の魚群《ぎよぐん》を追《お》ふ如《ごと》く。 エレキ[#「エレキ」に傍線]の物《もの》を打《う》つごとく。
見《み》よ、我《わが》艦隊《かんたい》を粉韲《うちくだ》く、 電光石火《でんくわうせきくわ》の大魔力《だいまりよく》※[#感嘆符三つ、52−9]
あゝ、 恐《おそ》るべし。 恐《おそ》るべし。
龍《りう》は眠《ねむ》れる日本海《につぽんかい》。 黒雲《こくうん》飛《と》べる東洋《
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