固《けんご》なる七|艘《さう》の海賊船《かいぞくせん》を浮《うか》べて、絶《た》えず其邊《そのへん》の航路《かうろ》を徘徊《はいくわい》し、時《とき》には遠《とほ》く大西洋《たいせいやう》の[#「大西洋《たいせいやう》の」は底本では「太西洋《たいせいやう》の」]沿岸《えんがん》までも船《ふね》を乘出《のりだ》して、非常《ひじやう》に貴重《きちやう》な貨物《くわぶつ》を搭載《とうさい》した船《ふね》と見《み》ると、忽《たちま》ち之《これ》を撃沈《げきちん》して、惡《にく》む可《べ》き慾《よく》を逞《たく》ましうして居《を》るとの話《はなし》。而《そ》して歐米《をうべい》の海員《かいゐん》仲間《なかま》では、此事《このこと》を知《し》らぬでもないが、如何《いか》にせん、此《この》海賊《かいぞく》團體《だんたい》の狡猾《かうくわつ》なる事《こと》は言語《げんご》に絶《た》えて、其《その》來《きた》るや風《かぜ》の如《ごと》く、其《その》去《さ》るも亦《ま》た風《かぜ》の如《ごと》く。海賊《かいぞく》共《ども》は如何《いか》にして探知《たんち》するものかは知《し》らぬが其《その》覬《ねら》ひ定
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