るイスチヤ[#「イスチヤ」に二重傍線]の岬《みさき》には廻轉燈明臺《くわいてんとうめうだい》の見《み》えつ、隱《かく》れつ、天《てん》に聳《そび》ゆるモリス[#「モリス」に二重傍線]山《ざん》の頂《いたゞき》にはまだ殘《のこん》の雪《ゆき》の眞白《ましろ》なるに、月《つき》の光《ひかり》のきら/\と反射《はんしや》して居《を》るなど得《え》も言《い》はれず、港内《かうない》は電燈《でんとう》の光《ひかり》煌々《くわう/\》たる波止塲《はとば》の附近《ほとり》からずつと此方《こなた》まで、金龍《きんりう》走《わし》る波《なみ》の上《うへ》には、船艦《せんかん》浮《うか》ぶ事《こと》幾百艘《いくひやくさう》、出《で》る船《ふね》、入《い》る船《ふね》は前檣《ぜんしやう》に白燈《はくとう》、右舷《うげん》に緑燈《りよくとう》、左舷《さげん》に紅燈《こうとう》の海上法《かいじやうはふ》を守《まも》り、停泊《とゞ》まれる船《ふね》は大鳥《おほとり》の波上《はじやう》に眠《ねむ》るに似《に》て、丁度《ちやうど》夢《ゆめ》にでもあり相《さう》な景色《けしき》! 私《わたくし》は此樣《こん》な風景《ふ
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