いふ小説《せうせつ》中《ちう》の、あの愛《あい》らしい/\小主人公《せうしゆじんこう》を聯想《れんさう》した。
日出雄少年《ひでをせうねん》は海外《かいぐわい》萬里《ばんり》の地《ち》に生《うま》れて、父母《ちゝはゝ》の外《ほか》には本國人《ほんこくじん》を見《み》る事《こと》も稀《まれ》なる事《こと》とて、幼《いとけな》き心《こゝろ》にも懷《なつ》かしとか、※[#「りっしんべん+喜」、第4水準2−12−73]《うれ》しとか思《おも》つたのであらう、其《その》清《すゞ》しい眼《め》で、しげ/\と私《わたくし》の顏《かほ》を見上《みあ》げて居《を》つたが
『おや、叔父《おぢ》さんは日本人《につぽんじん》!。』と言《い》つた。
『私《わたくし》は日本人《につぽんじん》ですよ、日出雄《ひでを》さんと同《おな》じお國《くに》の人《ひと》ですよ。』と私《わたくし》は抱《いだ》き寄《よ》せて
『日出雄《ひでを》さんは日本人《につぽんじん》が好《す》きなの、日本《につぽん》のお國《くに》を愛《あい》しますか。』と問《と》ふと少年《せうねん》は元氣《げんき》よく
『あ、私《わたくし》は日本《につぽん》
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