やうや》の家鴨《あひる》を射殺《ゐころ》して、辛《から》き目《め》に出逢《であ》つた話《はなし》や、春季《はる》の大運動會《だいうんどうくわい》に、彼《かれ》と私《わたくし》とはおの/\級《くみ》の撰手《チヤンピオン》となつて、必死《ひつし》に優勝旗《チヤンピオンフラグ》を爭《あらそ》つた事《こと》や、其他《そのほか》さま/″\の懷舊談《くわいきうだん》も出《で》て、時《とき》の移《うつ》るのも知《し》らなかつたが、ふと氣付《きづ》くと、當家《このや》の模樣《もやう》が何《なに》となく忙《いそ》がし相《さう》で、四邊《あたり》の部室《へや》では甲乙《たれかれ》の語《かた》り合《あ》ふ聲《こゑ》喧《かまびす》しく、廊下《ろうか》を走《はし》る人《ひと》の足音《あしおと》もたゞならず速《はや》い、濱島《はまじま》は昔《むかし》から極《ご》く沈着《ちんちやく》な人《ひと》で、何事《なにごと》にも平然《へいぜん》と構《かま》へて居《を》るから夫《それ》とは分《わか》らぬが、今《いま》珈琲《カツヒー》を運《はこ》んで來《き》た小間使《こまづかひ》の顏《かほ》にも其《その》忙《いそ》がしさが見《み
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