》んで居《を》つた難破信號《なんぱしんがう》の火光《ひかり》は何時《いつ》の間《ま》にか消《き》え失《う》せて、其處《そこ》には海面《かいめん》より數《すう》十|尺《しやく》高《たか》く白色球燈《はくしよくきうとう》輝《かゞや》き、船《ふね》の右舷《うげん》左舷《さげん》と覺《お》ぼしき處《ところ》に緑燈《りよくとう》、紅燈《こうとう》の光《ひかり》がぼんやり[#「ぼんやり」に傍点]と見《み》ゆるのみである。前檣《ぜんしやう》に白燈《はくとう》、右舷《うげん》に緑燈《りよくとう》、左舷《さげん》に紅燈《こうとう》は言《い》ふ迄《まで》もない、安全航行《あんぜんかうかう》の信號《しんがう》※[#感嘆符三つ、81−11]
『はゝあ、或程《なるほど》、星火榴彈《せいくわりうだん》に一次《いちじ》一發《いつぱつ》の火箭《くわせん》、救助《きゆうじよ》を求《もと》むる難破船《なんぱせん》の信號《しんがう》がよく見《み》えます、貴下《あなた》の眼は仲々《なか/\》結構《けつこう》な眼《め》です。』と意地惡《ゐぢわる》き船長《せんちやう》はぢろり[#「ぢろり」に傍点]ッと私《わたくし》の顏《かほ》を
前へ
次へ
全603ページ中134ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
押川 春浪 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング