の「友」に代えて「ノ/友」、63−8]《ぬ》かれたのであらう。忽《たちま》ち見《み》る一|個《こ》の英國人《エイこくじん》はつか/\と私共《わたくしども》の前《まへ》へ進《すゝ》み寄《よ》つて。大聲《おほごゑ》に
『サア、今度《こんど》は貴方等《あなたがた》の順番《じゆんばん》です、日本《につぽん》の代表者《だいひやうしや》として何《なに》かおやりなさい。』と喚《わめ》く、滿塲《まんじやう》は一度《いちど》に拍手《はくしゆ》した。
「南無三《なむさん》。」と私《わたくし》は逡巡《しりごみ》した。多《おほく》の白晢《はくせき》人種《じんしゆ》の間《あひだ》に人種《じんしゆ》の異《ちが》つた吾等《われら》は不運《ふうん》にも彼等《かれら》の眼《め》に留《とま》つたのである。私《わたくし》は元來《ぐわんらい》無風流《ぶふうりう》極《きは》まる男《をとこ》なので此《この》不意打《ふいうち》にはほと/\閉口《へいこう》せざるを得《え》ない。春枝夫人《はるえふじん》も頻《しき》りに辭退《じたい》して居《を》つたが彼男《かのをとこ》も一|旦《たん》言《い》ひ出《だ》した事《こと》とて仲々《なか/\》
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