《しゆつこう》までは未《ま》だ十|時間《じかん》以上《いじやう》。長《なが》い旅行《りよかう》を行《や》つた諸君《しよくん》はお察《さつ》しでもあらうが、知《し》る人《ひと》もなき異境《ゐきやう》の地《ち》で、※[#「さんずい+氣」、第4水準2−79−6]車《きしや》や※[#「さんずい+氣」、第4水準2−79−6]船《きせん》の出發《しゆつぱつ》を待《ま》ち暮《くら》すほど徒然《つまら》ぬものはない、立《た》つて見《み》つ、居《ゐ》て見《み》つ、新聞《しんぶん》や雜誌等《ざつしなど》を繰廣《くりひろ》げて見《み》たが何《なに》も手《て》に着《つ》かない、寧《いつ》そ晝寢《ひるね》せんか、市街《まち》でも散歩《さんぽ》せんかと、思案《しあん》とり/″\窓《まど》に倚《よ》つて眺《なが》めると、眼下《がんか》に瞰《み》おろす子ープルス[#「子ープルス」に二重傍線]灣《わん》、鏡《かゞみ》のやうな海面《かいめん》に泛《うか》んで、出《で》る船《ふね》、入《い》る船《ふね》[#「船《ふね》」は底本では「般《ふね》」]停泊《とゞま》つて居《ゐ》る船《ふね》、其《その》船々《ふね/″\》の甲板《か
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