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讀者《どくしや》諸君《しよくん》!
白雲《はくうん》は低《ひく》く飛《と》び、狂瀾《きやうらん》天《てん》に跳《をど》る印度洋上《インドやうじやう》、世界《せかい》の大惡魔《だいあくま》と世《よ》に隱《かく》れなき七|隻《せき》の大海賊船《だいかいぞくせん》をば、木葉微塵《こつぱみぢん》に粉韲《うちくだ》いたる我《わが》帝國軍艦《ていこくぐんかん》「日《ひ》の出《で》」と、神出鬼沒《しんしゆつきぼつ》の電光艇《でんくわうてい》とは、今《いま》や舷《げん》をならべて、本國《ほんごく》指《さ》して歸航《きかう》の途中《とちう》である。昨夜《さくや》新嘉坡《シンガポール》發《はつ》、一|片《ぺん》の長文《ちやうぶん》電報《でんぽう》は、日本《につぽん》の海軍省《かいぐんせう》に到達《たうたつ》した筈《はづ》であるが、二|隻《さう》は去《さ》る金曜日《きんえうび》をもつて、印度大陸《インドたいりく》の尖端《せんたん》コモリン[#「コモリン」に二重傍線]の岬《みさき》を廻《めぐ》り錫崙島《セイロンたう》の沖《をき》を※[#「過」の「咼」に代えて「咼の左右対称」、374−5]《す》ぎ、殘月《ざんげつ》淡《あは》きベンガル[#「ベンガル」に二重傍線]灣頭《わんとう》、行會《ゆきあ》ふ英《エイ》、佛《フツ》、獨《ドク》、露艦《ロかん》の敬禮《けいれい》に向《むか》つて謝意《しやゐ》を表《ひやう》しつゝ、大小《だいせう》ニコバル[#「ニコバル」に二重傍線]島《たう》とサラン[#「サラン」に二重傍線]島《たう》とを右舷《うげん》と左舷《さげん》とに眺《なが》めて、西《にし》と東《ひがし》との分《わか》れ道《ぢ》なるマラツカ[#「マラツカ」に二重傍線]海峽《かいけう》をもいつしか夢《ゆめ》の間《ま》に※[#「過」の「咼」に代えて「咼の左右対称」、374−8]《す》ぎ、今《いま》は支那海《シナかい》の波濤《はたう》を蹴《け》つて進航《しんかう》して居《を》るから、よし此後《このゝち》浪《なみ》高《たか》くとも、風《かぜ》荒《あら》くとも、二|船《せん》が諸君《しよくん》の面前《めんぜん》に現《あら》はれるのは最早《もは》や遠《とほ》い事《こと》ではあるまいと思《おも》ふ。
其時《そのとき》は無論《むろん》、新聞《しんぶん》の號外《がうぐわい》によつて、市井《しせい》
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