の評判《へうばん》によつて、如何《いか》なる山間《さんかん》僻地《へきち》の諸君《しよくん》と雖《いへど》も更《さら》に新《あたら》しき、更《さら》に歡《よろこ》ふ可《べ》き事《こと》を耳《みゝ》にせらるゝであらうが、私《わたくし》は殊《こと》に望《のぞ》む! 西《にし》、玄海灘《げんかいなだ》の邊《ほとり》より、馬關海峽《ばくわんかいけう》を※[#「過」の「咼」に代えて「咼の左右対称」、375−2]《す》き、瀬戸内海《せとないかい》に入《い》り、夫《それ》より紀伊海峽《きいかいけう》を出《い》でゝ潮崎《うしほざき》を廻《めぐ》り、遠江灘《とほとほみなだ》、駿河灣《するがわん》、相模灘《さがみなだ》の沿岸《えんがん》に沿《そ》ふて、凡《およ》そ波濤《はたう》の打《う》つところ、凡《およ》そ船舶《せんぱく》の横《よこた》はる處《ところ》、海岸《かいがん》に近《ちか》く家《いへ》を有《いう》せらるゝ諸君《しよくん》は、必《かなら》ず朝夕《てうせき》の餘暇《よか》には、二階《にかい》の窓《まど》より、家外《かぐわい》の小丘《せうきう》より、また海濱《かいひん》の埠頭《はとば》より、籠手《こて》を翳《かざ》して遙《はる》かなる海上《かいじやう》を觀望《くわんぼう》せられん事《こと》を。若《も》し、水天《すいてん》一碧《いつぺき》の地平線上《ちへいせんじやう》、團々《だん/\》たる黒烟《こくゑん》先《ま》づ見《み》え、つゞゐて白色《はくしよく》の新式巡洋艦《しんしきじゆんやうかん》現《あら》はれ、それと共《とも》に、龍《りよう》の如《ごと》[#ルビの「ごと」は底本では「ごか」]く、鯱《しやち》の如《ごと》き怪艇《くわいてい》の水煙《すいゑん》を蹴《け》つて此方《こなた》に向《むか》ふを見《み》ば、請《こ》ふ、旗《はた》ある人《ひと》は旗《はた》を振《ふ》り、喇叭《らつぱ》ある人《ひと》は喇叭《らつぱ》を吹奏《なら》し、何物《なに》も無《な》き人《ひと》は双手《もろて》を擧《あ》げて、聲《こゑ》を限《かぎ》りに帝國萬歳《ていこくばんざい》! 帝國海軍萬歳《ていこくかいぐんばんざい》を連呼《れんこ》せられよ、だん/″\と近《ちか》づく二|隻《そう》の甲板《かんぱん》、巡洋艦《じゆんやうかん》の縱帆架《ガーフ》に、怪艇《くわいてい》の艇尾《ていび》に、帝國軍艦旗《ていこくぐんかんき
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