たか》く信號旗《しんがうき》が上《あが》つた。
心憎《こゝろに》くや、奇怪《きくわい》の船《ふね》は、晝間信號《ちうかんしんがう》を電燈《でんとう》の光《ひかり》に應用《おうよう》せんとするのである。
三|角《かく》、四|角《かく》、さま/″\の模樣《もやう》の信號旗《しんがうき》は風《かぜ》に動《うご》いて
「其《その》軍艦《ぐんかん》止《とゞ》まれ! 其《その》軍艦《ぐんかん》止《とゞ》まれ※[#感嘆符三つ、364−12]。」と示《しめ》す。
我《わが》日《ひ》の出《で》艦長松島海軍大佐《かんちやうまつしまかいぐんたいさ》は、一令《いちれい》を發《はつ》して滿艦《まんかん》に電光《でんくわう》を輝《かゞや》かした。
一|等《とう》信號兵《しんがうへい》は指揮《しき》の下《した》に信號檣下《しんがうしやうか》に立《た》つた。
「奇怪《きくわい》の船《ふね》! 汝《なんぢ》は何者《なにもの》ぞ。」と我《わ》が信號旗《しんがうき》上《あが》る。
ヒラ/\と動《うご》く彼方《かなた》の信號《しんがう》
「我《われ》こそは音《おと》に名高《なだか》き印度洋《インドやう》の大海賊船《だいかいぞくせん》なり、汝《なんぢ》の新造軍艦《しんざうぐんかん》を奪《うば》はんとて此處《こゝ》に待《ま》つこと久矣《ひさし》、速《すみやか》に白旗《はくき》を立《た》てゝ其《その》軍艦《ぐんかん》を引渡《ひきわた》さば可《よし》、若《も》し躊躇《ちうちよ》するに於《おい》ては、我《われ》に七|隻《せき》の堅艦《けんかん》あり、一撃《いちげき》の下《もと》に汝《なんぢ》の艦《ふね》を粉韲《ふんさい》すべきぞ。」と見《み》る/\内《うち》に長蛇《ちやうだ》の船列《せんれつ》は横形《わうけい》の列《れつ》に變《へん》じて、七|隻《せき》の海賊船《かいぞくせん》の甲板《かんぱん》には月光《げつくわう》に反射《はんしや》して、劍戟《けんげき》の晃《きらめ》くさへ見《み》ゆ、本艦《ほんかん》の士官《しくわん》水兵《すいへい》は一時《いちじ》に憤激《ふんげき》の眉《まゆ》を揚《あ》げた、中《なか》にも年少《ねんせう》士官等《しくわんら》は早《は》や軍刀《ぐんたう》[#ルビの「ぐんたう」は底本では「ぐくたう」]の※[#「革+巴」、365−11]《つか》を握《にぎ》り詰《つ》めて、艦長《かんちやう》の號令《が
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