よう》の秘密藥品《ひみつやくひん》を買整《かひとゝの》へ、十二の樽《たる》に密封《みつぷう》して、今《いま》は特更《ことさら》に船《ふね》を艤裝《ぎさう》する必要《ひつえう》もなく、直《たゞ》ちに軍艦《ぐんかん》「日《ひ》の出《で》」に搭載《たふさい》して、同時《どうじ》に暗號電報《あんがうでんぽう》をもつて、松島海軍大佐《まつしまかいぐんたいさ》は本國《ほんごく》政府《せいふ》よりの許可《きよか》を受《う》け、來《きた》る二十五|日《にち》拂曉《ふつげう》に海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》と相《あひ》會《あ》ふ可《べ》き筈《はづ》の橄欖島《かんらんたう》の方向《ほうかう》を指《さ》して進航《しんかう》した。
コロンボ[#「コロンボ」に二重傍線]港《かう》から橄欖島《かんらんたう》まで大約《おほよそ》一千五百|海里《かいり》。明《あ》[#ルビの「あ」は底本では「あけ」]けては、日《ひ》麗《うら》らかなる甲板《かんぱん》に、帝國軍艦旗《ていこくぐんかんき》翩飜《へんぽん》たるを仰《あほ》ぎ見《み》ては、日《ひ》ならず智勇《ちゆう》兼備《けんび》の兩《りよう》海軍大佐《かいぐんたいさ》が新《あたら》しき軍艦《ぐんかん》「日《ひ》の出《で》」と、新《あたら》しき電光艇《でんくわうてい》との甲板《かんぱん》にて、波《なみ》を距《へだ》てゝ相《あひ》會《くわい》し、それより二隻《にせき》[#ルビの「にせき」は底本では「たせき」]相《あひ》並《なら》んで、海原《うなばら》遠《とう》く幾千里《いくせんり》、頓《やが》て、芙蓉《ふえう》の峯《みね》の朝日《あさひ》影《かげ》を望《のぞ》み見《み》る迄《まで》の、壯快《さうくわい》なる想像《さうぞう》を胸《むね》に描《えが》き、暮《く》れては、海風《かいふう》穩《おだや》かなる艦橋《かんけう》のほとり、濱島武文《はまじまたけぶみ》や春枝夫人等《はるえふじんら》と相《あひ》語《かた》つて、日出雄少年《ひでをせうねん》の愛《あい》らしき姿《すがた》を待兼《まちか》ねつゝ。四晝夜《しちうや》の航海《かうかい》は恙《つゝが》なく※[#「過」の「咼」に代えて「咼の左右対称」、361−1]《す》ぎて、右舷《うげん》左舷《さげん》に寄《よ》せては返《かへ》す波《なみ》の音《おと》と共《とも》に、刻一刻《こくいつこく》に近《ちか》づき來《きた》る喜
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