ろん》偶然《ぐうぜん》の符合《ふがふ》ではありますまい。』と私《わたくし》は感嘆《かんたん》の叫《さけび》を禁《きん》じ得《え》なかつた。武村兵曹《たけむらへいそう》は前額《ぜんがく》を撫《な》でゝ
『やあ、だん/″\と目出度《めでた》い事《こと》が集《あつま》つて來《き》ますな。新造軍艦《しんざうぐんかん》は獻納《けんなう》される、海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》は現《あら》はれて來《く》る、日本海軍《につぽんかいぐん》益々《ます/\》榮《さか》え――。』と快活《くわいくわつ》なる面《おもて》を擧《あ》げてニコと笑《わら》ふ。松島海軍大佐《まつしまかいぐんたいさ》も微笑《びせう》を帶《お》びて
『洵《まこと》に兵曹《へいそう》の言《げん》の如《ごと》く日本海軍《につぽんかいぐん》の爲《ため》に慶賀《けいが》すべき事《こと》である。今《いま》や遠《とほ》からず橄欖島《かんらんたう》のほとりで櫻木大佐《さくらぎたいさ》に對面《たいめん》し、それより本艦《ほんかん》「日《ひ》の出《で》」と櫻木大佐《さくらぎたいさ》の電光艇《でんくわうてい》とが舳艫《じくろ》相《あひ》並《なら》んで颯々《さつ/\》たる海風《かいふう》に帝國軍艦旗《ていこくぐんかんき》を飜《ひるが》へしつゝ頓《やが》て、帝國《ていこく》の軍港《ぐんかう》へと到着《たうちやく》した時《とき》には如何《いか》に壯烈《さうれつ》に且《か》つ愉快《ゆくわい》なる事《こと》だらう。』
轟大尉《とゞろきたいゐ》は双手《さうしゆ》を擧《あ》げて快哉《くわいさい》を叫《さけ》んだ。濱島武文《はまじまたけぶみ》は腕《うで》をさすつて
『實《じつ》に人間《にんげん》の萬事《ばんじ》は天意《てんゐ》の儘《まゝ》である。めぐり廻《めぐ》つて何事《なにごと》が幸福《かうふく》となるかも分《わか》らぬ。私《わたくし》は今《いま》やまた軍艦《ぐんかん》日《ひ》の出《で》のみならず一度《いちど》喪《うしな》つたと思《おも》つた日出雄《ひでを》をも國《くに》に獻《さゝ》ぐる事《こと》の出來《でき》るやうになつた事《こと》を感謝《かんしや》します。』と限《かぎ》りなき滿足《まんぞく》の色《いろ》を以《もつ》て夫人《ふじん》を顧見《かへりみ》た。
あゝ、人間《にんげん》の萬事《ばんじ》は實《じつ》に天意《てんゐ》の儘《まゝ》だと、私《わたく
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