ん》は八|吋《インチ》速射砲《そくしやほう》二|門《もん》、十二|珊《サンチ》速射砲《そくしやほう》六|門《もん》、四十七|粍《ミリ》速射砲《そくしやほう》十二|門《もん》、機關砲《きくわんほう》四|門《もん》あるです。日本政府《につぽんせいふ》は快《こゝろよ》く濱島氏《はまじまし》の志《こゝろざし》を容《ゐ》れ、我《わ》が海軍部内《かいぐんぶない》では、特別《とくべつ》の詮議《せんぎ》があつて、直《たゞ》ちに松島大佐閣下《まつしまたいさかくか》が回航委員長《くわいかうゐゐんちやう》の任《にん》に當《あた》る事《こと》となり、今《いま》や大佐《たいさ》は本艦々長《ほんかん/\ちやう》の資格《しかく》をもつて日本《につぽん》へ廻航中《くわいかうちう》、濱島氏夫妻《はまじましふさい》は、此《この》軍艦《ぐんかん》の獻納者《けんなうしや》であれば、本艦《ほんかん》引渡《ひきわた》しの儀式《ぎしき》の爲《ため》と、一《ひと》つには、最早《もはや》異境《ゐきやう》の空《そら》も飽果《あきは》てたれば之《これ》よりは、山《やま》美《うる》はしく、水《みづ》清《きよ》き日本《につぽん》に歸《かへ》らんと、子ープルス[#「子ープルス」に二重傍線]港《かう》から本艦《ほんかん》に便乘《びんじやう》した次第《しだい》です。』と語《かた》りかけて、轟大尉《とゞろきたいゐ》は虎髯《こぜん》を逆《ぎやく》に捩《ねじ》りつゝ
『軍艦《ぐんかん》日《ひ》の出《で》! 此《この》名《な》は確《たし》かに、日出雄少年《ひでをせうねん》の名《な》と或《ある》關係《くわんけい》を有《も》つて居《を》ると信《しん》じます。然《しか》し、濱島氏《はまじまし》は决《けつ》して虚名《きよめい》を貪《むさぼ》る人《ひと》でない、此《この》名《な》は彼《かれ》が求《もと》めた名《な》では無《な》いのです、すべて本國《はんごく》政府《せいふ》の任意《にんゐ》に定《さだ》めた事《こと》で、軍艦命名式《ぐんかんめいめいしき》の嚴肅《げんしゆく》なる順序《じゆんじよ》を經《へ》て下《くだ》されたのが「日《ひ》の出《で》」の三|字《じ》です。けれど私《わたくし》は、此《この》名《な》と日出雄少年《ひでをせうねん》の名《な》との符合《ふがふ》をば、决《けつ》して偶然《ぐうぜん》の事《こと》とは思《おも》ひません。』
『無論《む
前へ 次へ
全302ページ中272ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
押川 春浪 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング