ふう》[#ルビの「ふう」は底本では「ぶう」]の男兒《をのこ》となりて、毎日《まいにち》/\賢《かし》こく、勇《いさ》ましく、日《ひ》を送《おく》つて居《を》る有樣《ありさま》をば目《め》に見《み》る如《ごと》くに語《かた》り、大佐《たいさ》よ、濱島君《はまじまくん》よ、春枝夫人《はるえふじん》よ、されば吾等《われら》は今《いま》や天運《てんうん》開《ひら》けて、遠《とほ》からず非常《ひじやう》の喜《よろこ》びに會《くわい》する時《とき》を待《ま》つばかりです。と語《かた》り終《をは》ると、聽《き》く三人《みたり》は或《あるひ》は驚《おどろ》き或《あるひ》はよろこび。大佐《たいさ》は相變《あひかは》らず鼻髯《びぜん》を捻《ひね》りつゝ。豪壯《がうさう》なる濱島武文《はまじまたけぶみ》は胸《むね》を叩《たゝ》いて
『私《わたくし》は何《なに》よりも嬉《うれ》しい。弦月丸《げんげつまる》の沈沒《ちんぼつ》は、日出雄《ひでを》の爲《ため》には、寧《むし》ろ幸福《かうふく》であつたかも知《し》れません。今《いま》彼《かれ》が當世《たうせい》に隱《かく》れも無《な》き、櫻木海軍大佐《さくらぎかいぐんたいさ》から、斯《か》くも懇篤《こんとく》なる薫陶《くんとう》を受《う》けて生長《せいちやう》した事《こと》は、世界《せかい》第一《だいいち》の學校《がくかう》を卒業《そつげふ》したよりも、私《わたくし》の爲《ため》には※[#「りっしんべん+喜」、第4水準2−12−73]《うれ》しいです。』
春枝夫人《はるえふじん》は包《つゝ》み兼《か》ねたる喜悦《よろこび》の聲《こゑ》で
『皆樣《みなさま》は、其樣《そんな》にあの兒《こ》を可愛《かあい》がつて下《くだ》さつたのですか。妾《わたくし》は何《なん》と御禮《おれい》の言葉《ことば》もございません[#「ございません」は底本では「こざいません」]。』と雪《ゆき》のやうなる頬《ほう》に微※[#「渦」の「咼」に代えて「咼の左右対称」、332−3]《えくぼ》の波《なみ》を湛《たゝ》えて
『そして、あの兒《こ》はもう其樣《そんな》に大《おほ》きくなりまして。』
『大《おほ》きくなりました段《だん》か。近々《きん/\》に橄欖島《かんらんたう》でお逢《あ》ひになつたら、そりや喫驚《びつくり》なさる』とまた兵曹《へいそう》が飛《と》び出《だ》した。
『あ
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