せんぱく》の雇入《やとひい》れに五日間《いつかかん》を費《ついや》すとして吾等《われら》が橄欖島《かんらんたう》に赴《おもむ》く事《こと》の出來《でき》るのは、本月《ほんげつ》の廿四|日《か》から廿七八|日《にち》迄《まで》の間《あひだ》と豫定《よてい》せらるゝから、櫻木大佐等《さくらぎたいさら》は二十四|日《か》の夜半《やはん》に電光艇《でんくわうてい》に乘《じやう》じて、本島《ほんたう》を離《はな》れ、其《その》翌日《よくじつ》の拂曉《ふつぎよう》には、橄欖島《かんらんたう》の島蔭《しまかげ》に到着《たうちやく》する約束《やくそく》。そこで、何方《どちら》でも、早《はや》く橄欖島《かんらんたう》に到着《たうちやく》した方《ほう》は、向《むか》ふ一週間《いつしゆうかん》の間《あひだ》、其《その》島《しま》の附近《ふきん》で待合《まちあ》はせ、一週間《いつしゆうかん》※[#「過」の「咼」に代えて「咼の左右対称」、297−5]《すぎ》て後《のち》も他《た》の一方《いつぽう》が見《み》えぬ時《とき》には、最早《もはや》運命《うんめい》の盡《つき》と覺悟《かくご》を定《さだ》める筈《はづ》であつた。
此《この》打合《うちあは》せが終《をは》ると、大佐《たいさ》の命令《めいれい》で、輕氣球《けいきゝゆう》は海岸《かいがん》の砂上《しやじやう》に引出《ひきいだ》され、水素瓦斯《すいそがす》は充分《じふぶん》に滿《み》たされ、數日分《すうじつぶん》の食料《しよくれう》と、飮料水《いんれうすい》と、藥品《やくひん》の買入《かひい》れや、船舶《せんぱく》の雇入《やとひい》れの爲《た》めに費《つひや》す可《べ》き、巨額《きよがく》の金銀貨《きんぎんくわ》の積込《つみこ》みも終《をは》ると、私《わたくし》と武村兵曹《たけむらへいそう》とは身輕《みがる》に旅裝《たびじたく》を整《とゝの》へて搖籃《ゆれかご》の中《なか》へと乘込《のりこ》んだ。あゝ、之《これ》が一生《いつしやう》の別《わか》れとなるかも分《わか》らぬ。櫻木大佐《さくらぎたいさ》も、日出雄少年《ひでをせうねん》も、默《だま》つて吾等《われら》兩人《りやうにん》の顏《かほ》を眺《なが》め、力《ちから》を込《こ》めて吾等《われら》の手《て》を握《にぎ》つた。一隊《いつたい》三十|有餘名《いうよめい》の三年《さんねん》以來《いらい
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