い》が要《えう》する十二|種《しゆ》の藥液《やくえき》を買整《かひとゝの》へ、其處《そこ》から一千|海里《かいり》離《はな》れて大陸《たいりく》と本島《ほんたう》との丁度《ちやうど》中間《ちうかん》に横《よこた》はれる橄欖島《かんらんたう》まで竊《ひそか》に船《ふね》に艤裝《ぎさう》して、十二の藥液《やくえき》を運送《うんさう》して來《き》たならば、此方《こなた》でも海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》には、未《ま》だ多少《たせう》の發動藥液《はつどうやくえき》が殘《のこ》つて居《を》るから、其《その》運送船《うんさうせん》が丁度《ちやうど》橄欖島《かんらんたう》に到着《たうちやく》する頃《ころ》、我《わ》が電光艇《でんくわうてい》も亦《ま》た本島《ほんたう》を出發《しゆつぱつ》して、二船《にせん》其《その》島《しま》に會合《くわいがふ》し、凖備《じゆんび》の藥液《やくえき》をば電光艇《でんくわうてい》に轉載《てんさい》して、それより日本《につぽん》に歸《かへ》らんとの計畫《けいくわく》です。勿論《もちろん》、事《こと》の成敗《せいばい》は豫期《よき》し難《がた》いが、萬一《まんいち》氣球《ききゆう》が空中《くうちう》に破裂《はれつ》するとか、其他《そのた》の異變《ゐへん》の爲《ため》に、使命《しめい》を果《はた》す事《こと》が出來《でき》なければ夫迄《それまで》の事《こと》、此方《こなた》電光艇《でんくわうてい》は、約束《やくそく》の日《ひ》に本島《ほんたう》を發《はつ》し、橄欖島《かんらんたう》に赴《おもむ》いて、數日《すうじつ》待《ま》つても、來《く》る可《べ》き船《ふね》の來《こ》ぬ塲合《ばあひ》には、それを以《もつ》て輕氣球《けいきゝゆう》の運命《うんめい》を卜《ぼく》し、自《みづから》も亦《ま》た天運《てんうん》の盡《つき》と諦《あきら》めて、其時《そのとき》は最後《さいご》の手段《しゆだん》、乃《すなは》ち海賊船《かいぞくせん》とか其他《そのた》強暴《きようぼう》なる外國《ぐわいこく》の軍艦等《ぐんかんとう》に、海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》の秘密《ひみつ》を覺《さと》られぬが爲《ため》に、自《みづか》ら爆發藥《ばくはつやく》を以《もつ》て艇體《ていたい》を破壞《はくわい》して、潔《いさぎ》よく千尋《ちひろ》の海底《かいてい》に沈《しづ》まんとの覺悟
前へ
次へ
全302ページ中235ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
押川 春浪 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング