、他《た》から供給《きようきふ》を仰《あほ》ぐ事《こと》も恊《かな》はねば、吾等《われら》は爾後《このゝち》十|年《ねん》生存《ながらへ》るか、二十|年《ねん》生存《ながらへ》るか知《し》れぬが、朝夕《あさゆふ》、世界無比《せかいむひ》の海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》を目前《もくぜん》に眺《なが》めつゝも、終《つひ》には、此《この》絶島《ぜつたう》の鬼《おに》とならねばならぬのである。
斯《か》う考《かんが》へると、無限《むげん》に悲哀《かなし》くなつて、たゞ茫然《ぼうぜん》と故國《こゝく》の空《そら》を望《のぞ》んで、そゞろに暗涙《あんるい》を浮《うか》べて居《を》る時《とき》、今迄《いまゝで》默然《もくねん》と深《ふか》き考慮《かんがへ》に沈《しづ》んで居《を》つた櫻木大佐《さくらぎたいさ》は、突然《とつぜん》顏《かほ》を上《あ》げた。彼《かれ》は遂《つひ》に非常手段《ひじやうしゆだん》を案《あん》じ出《いだ》したのである。
大佐《たいさ》は、决然《けつぜん》たる顏色《がんしよく》を以《もつ》て口《くち》を開《ひら》いた。
『今《いま》、此《この》厄難《やくなん》に際《さい》して、吾等《われら》の採《と》る可《べ》き道《みち》は只《たゞ》二つある、其《その》一つは、何事《なにごと》も天運《てんうん》と諦《あきら》めて、電光艇《でんくわうてい》と共《とも》に此《この》孤島《はなれじま》に朽果《くちは》てる事《こと》――然《しか》しそれは何人《なんぴと》も望《のぞ》む處《ところ》ではありますまい――他《た》の一策《いつさく》は他《ほか》でも無《な》い、實《じつ》に非常《ひじやう》の手段《しゆだん》ではあるが、※[#「過」の「咼」に代えて「咼の左右対称」、293−1]日《くわじつ》、自動鐵車《じどうてつしや》が砂《すな》すべりの谷《たに》に陷落《かんらく》した時《とき》、君等《きみら》を救《すく》はんが爲《ため》に製作《せいさく》した大輕氣球《だいけいきゝゆう》が、今《いま》も猶《な》ほ殘《のこ》つて居《を》る。其《その》輕氣球《けいきゝゆう》を飛揚《ひやう》して、誰《だれ》か一二|名《めい》、印度《インド》のコロンボ[#「コロンボ」に二重傍線]市《し》か其他《そのた》の大陸地方《たいりくちほう》の都邑《とゆう》に達《たつ》し、其處《そこ》で、電光艇《でんくわうて
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