は底本では「ごく」]く疾走《しつさう》しつゝ洋上《やうじやう》の巨巖《きよがん》[#「巨巖《きよがん》」は底本では「巨嚴《きよがん》」]目掛《めが》けて射出《ゐいだ》す一發《いつぱつ》二發《にはつ》、巨巖《きよがん》碎《くだ》け飛《と》んで、破片《はへん》波《なみ》に跳《をど》つた。忽《たちま》ち電光艇《でんくわうてい》の甲板《かんぱん》には歡呼《くわんこ》の聲《こゑ》が起《おこ》つた。それと同時《どうじ》に、吾等《われら》陸上《りくじやう》の一同《いちどう》は萬歳《ばんざい》を叫《さけ》ぶ、花火《はなび》を揚《あ》げる、旗《はた》を振《ふ》る、日出雄少年《ひでをせうねん》は夢中《むちう》になつて、猛犬稻妻《まうけんいなづま》と共《とも》に、飛鳥《ひちやう》の如《ごと》く海岸《かいがん》の砂《すな》を蹴立《けた》てゝ奔走《ほんさう》した。實《じつ》に此《この》島《しま》在《あ》つて以來《いらい》の大盛况《だいせいけう》※[#感嘆符三つ、277−1]
兎角《とかく》する程《ほど》に、海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》は[#「海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》は」は底本では「海底戰國艇《かいていせんとうてい》は」]試運轉《しうんてん》を終《をは》り、櫻木海軍大佐《さくらぎかいぐんたいさ》は再《ふたゝ》び一隊《いつたい》を指揮《しき》して上陸《じやうりく》した。電光艇《でんくわうてい》は恰《あだか》も勇士《ゆうし》の憩《いこ》うが如《ごと》く、海岸《かいがん》間近《まぢか》く停泊《ていはく》して居《を》る。
さて夫《それ》よりは、紀元節《きげんせつ》の祝賀《しゆくが》と、此《この》大《おほい》なる成功《せいこう》の祝《いわひ》とで沸《わ》くが如《ごと》き騷《さわ》ぎ、夜《よる》になると、兼《かね》て設《まう》けられたる海岸《かいがん》の陣屋《ぢんや》で大祝賀會《だいしゆくがくわい》が始《はじ》まつた。其塲《そのば》の盛况《せいけう》は筆《ふで》にも言葉《ことば》にも盡《つく》されない。茶番《ちやばん》をやる水兵《すいへい》もある、軍樂《ぐんがく》を奏《そう》する仲間《なかま》もある、武村兵曹《たけむらへいそう》は得意《とくい》に、薩摩琵琶《さつまびわ》『河中島《かはなかじま》』の一段《いちだん》を語《かた》つた。此《この》男《をとこ》に、此樣《こん》な隱《かく》し藝《げい
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