恰《あだか》も列國《れつこく》を眼下《がんか》に瞰《み》おろすが如《ごと》く、勢《いきほひ》よく飜《ひるがへ》つて居《を》る。海濱《かいひん》の其處此處《そここゝ》には、毛布《ケツト》や、帆布《ほぬの》や、其他《そのほか》樣々《さま/″\》の武器等《ぶきとう》を應用《おうよう》して出來《でき》た、富士山《ふじさん》の摸形《もけい》だの、二見《ふたみ》ヶ|浦《うら》の夕景色《ゆふげしき》だの、加藤清正《かとうきよまさ》の虎退治《とらたいぢ》の人形《にんぎよう》だのが、奇麗《きれい》な砂《すな》の上《うへ》にズラリと並《なら》んだ。また彼方《かなた》では、一團《いちだん》の水兵《すいへい》がワイ/\と騷《さわ》いで居《を》るので、何事《なにごと》ぞと眺《なが》めると、其處《そこ》は小高《こだか》い丘《をか》の麓《ふもと》で、椰子《やし》や橄欖《かんらん》の葉《は》が青々《あほ/\》と茂《しげ》り、四邊《あたり》の風景《けしき》も一際《ひときわ》美《うる》はしいので、今夜《こんや》は此處《こゝ》に陣屋《ぢんや》を構《かま》へて、大祝賀會《だいしゆくがくわい》を催《もよう》すとの事《こと》、其《その》仕度《したく》に帆木綿《ほもめん》や、檣《ほばしら》の古《ふる》いのや、倚子《いす》や、テーブルを擔《かつ》ぎ出《だ》して、大騷《おほさわ》ぎの最中《さいちう》。
頓《やが》て海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》が、いよ/\秘密造船所《ひみつざうせんじよ》を出《い》づる可《べ》き筈《はづ》の午前《ごぜん》九時《くじ》になると、一發《いつぱつ》の砲聲《ほうせい》が轟《とゞろ》いた。それと同時《どうじ》に、一旦《いつたん》家《いへ》に歸《かへ》つた櫻木海軍大佐《さくらぎかいぐんたいさ》は、金《きん》モールの光《ひかり》燦爛《さんらん》たる海軍大佐《かいぐんたいさ》の盛裝《せいさう》で、一隊《いつたい》の水兵《すいへい》を指揮《しき》して、屏風岩《べうぶいわ》の下《した》なる秘密造船所《ひみつざうせんじよ》の中《なか》へと進入《すゝみい》つた。私《わたくし》と、日出雄少年《ひでをせうねん》と、他《ほか》に一群《いちぐん》の水兵《すいへい》とは、陸《りく》に留《とゞま》つて、其《その》試運轉《しうんてん》の光景《くわうけい》を眺《なが》めつゝ、花火《はなび》を揚《あ》げ、旗《はた》を振《
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