みやこおほぢ》の繁華《はんくわ》なる處《ところ》より、深山《みやま》の奧《をく》の杣《そま》の伏屋《ふせや》に到《いた》るまで、家々《いへ/\》戸々《こゝ》に日《ひ》の丸《まる》の國旗《こくき》を飜《ひるがへ》して、御國《みくに》の榮《さかえ》を祝《いわ》つて居《を》る事《こと》であらう。吾等《われら》遠《とう》く印度洋《インドやう》の此《この》孤島《はなれじま》に距《へだゝ》つて居《を》つても、※[#「公の右上の欠けたもの」、第4水準2−1−10]※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2−94−57]《どう》して此《この》日《ひ》を祝《いわ》はずに居《を》られやう、去年《きよねん》も、一昨年《おとゞし》も、當日《たうじつ》は終日《しうじつ》業《げふ》を休《やす》んで、心《こゝろ》ばかりの祝意《しゆくゐ》を表《ひやう》したが、今年《ことし》の今日《けふ》といふ今日《けふ》は、啻《たゞ》に本國《ほんごく》の大祭日《たいさいじつ》ばかりではない、吾等《われら》の爲《ため》には、終世《しうせい》の紀念《きねん》ともなる可《べ》き、海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》の首尾《しゆび》よく竣成《しゆんせい》して、初《はじ》めて海《うみ》に浮《うか》び出《で》る當日《たうじつ》であれば、其《その》目出度《めでた》さも亦《ま》た格別《かくべつ》である。昨夜《さくや》以來《いらい》我《わが》朝日島《あさひじま》の海岸《かいがん》は、手《て》の及《およ》ぶ限《かぎ》り裝飾《さうしよく》された。大佐《たいさ》の家《いへ》は隙間《すきま》もなく日《ひ》の丸《まる》の國旗《こくき》に取卷《とりま》かれて、其《その》正面《せうめん》には、見事《みごと》な緑門《アーチ》も出來《でき》た。荒浪《あらなみ》の※[#「革+堂」、第3水準1−93−80]々《どう/\》と打寄《うちよ》する岬《みさき》の一端《いつたん》には、高《たか》き旗竿《はたざほ》が立《た》てられて、一夜作《いちやづく》りの世界《せかい》※[#「一/力」、274−4]國《ばんこく》の旗《はた》は、其《その》竿頭《かんとう》から三方《さんぽう》に引《ひ》かれた綱《つな》に結《むす》ばれて、翩々《へんぺん》と風《かぜ》に靡《なび》く、其《その》頂上《てつぺん》には我《わ》が譽《ほまれ》ある日章旗《につしようき》は、
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