り》は何《な》んでも十|幾遍《いくへん》か催《もよう》されたが例《いつ》も武村兵曹《たけむらへいそう》の大功名《だいこうめう》であつた。また或《ある》時《とき》は海岸《かいがん》の家《いへ》の直《す》ぐ後《うしろ》の森《もり》へ、大鷲《おほわし》が巣《す》を營《いとな》んで居《を》るのを見付《みつ》けて、其《その》卵子《たまご》を捕《と》りに行《い》つて酷《ひど》い目《め》に遭遇《でつくわ》した事《こと》もある。毎日《まいにち》/\晨《あした》に星《ほし》を戴《いたゞ》いて大佐等《たいさら》と共《とも》に家《いへ》を出《い》で、終日《しうじつ》海底《かいてい》の造船所《ざうせんじよ》の中《なか》で汗水《あせみづ》を流《なが》して、夕暮《ゆふぐれ》靜《しづ》かな海岸《かいがん》を歸《かへ》つて來《く》ると、日出雄少年《ひでをせうねん》と猛犬《まうけん》の稻妻《いなづま》とは屹度《きつと》途中《とちう》まで迎《むかへ》に來《き》て居《を》る、それから暑《あつ》い時《とき》には家《いへ》の後《うしろ》を流《なが》れて居《を》る清流《せいりう》で身體《からだ》を清《きよ》め、凉《すゞ》しい時《とき》には留守居《るすゐ》の水兵《すいへい》や日出雄少年《ひでをせうねん》が凖備《ようゐ》して呉《く》れる此《この》孤島《しま》には不相應《ふさうおう》に奇麗《きれい》な浴湯《よくたう》へ入《はい》つて、頓《やが》て樂《たの》しい夕食《ゆふしよく》も終《をは》ると、此邊《このへん》は熱帶國《ねつたいこく》の常《つね》とて、年中《ねんちう》日《ひ》が長《なが》いので、食後《しよくご》一|時間《じかん》ばかりは大佐《たいさ》をはじめ一同《いちどう》海邊《かいへん》に出《い》でゝ戸外運動《こぐわいうんどう》に耽《ふけ》るのである。庭球《ローンテニス》もある、「クリツケツト」もある、射的塲《しやてきば》もある、相撲《すまふ》の土俵《どひやう》もある、いづれも櫻木大佐《さくらぎたいさ》が日本《につぽん》を出《い》づる前《まへ》から、かゝる孤島《こたう》の生活中《せいくわつちう》、一同《いちどう》の無聊《むれう》を慰《なぐさ》めんが爲《た》めに凖備《じゆんび》して來《き》た事《こと》とて「テニス、コード」も射的塲《しやてきば》も仲々《なか/\》整頓《せいとん》したものである、然《しか》し、此《この
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