《せいぞうしよ》は、我《わ》が秘密造船所《ひみつざうせんじよ》内《ない》の何處《どこ》かに設《まう》け、充分《じゆうぶん》の材料《ざいれう》は私《わたくし》の方《ほう》から供給《けうきう》し、また君《きみ》の助手《たすけて》としては、毎日《まいにち》午前《ごぜん》午後《ごゞ》に交代《かうたい》に、四|名宛《めいづゝ》の水兵《すいへい》を遣《つか》はす事《こと》に致《いた》しませう。私《わたくし》も及《およ》ばずながら※[#「一/力」、220−8]事《ばんじ》に就《つ》いて助言《じよげん》を致《いた》しますよ。』といふ。
『斯《か》うなつたら、生命掛《いのちが》けでやります。』と私《わたくし》は腕《うで》を叩《たゝ》いた。
『面白《おもし》ろい/\。』と武村兵曹《たけむらへいそう》は頬鬚《ほうひげ》を撫《な》でた。
日出雄少年《ひでをせうねん》は先刻《せんこく》から、櫻木大佐《さくらぎたいさ》の傍《かたはら》に、行儀《ぎようぎ》よく吾等《われら》の談話《はなし》を聽《き》いて居《を》つたが、幼《いとけな》き心《こゝろ》にも話《はなし》の筋道《すぢみち》はよく分《わか》つたと見《み》へ、此時《このとき》可愛《かあい》らしき眼《め》を此方《こなた》に向《む》け
『あの、叔父《おぢ》さんが、鐵《てつ》の車《くるま》をお製《つくり》になるんなら、私《わたくし》も同一《いつしよ》に働《はたら》かうと思《おも》ふんです。』
『こいつは愈々《いよ/\》面白《おもしろ》くなつて來《き》た。』と武村兵曹《たけむらへいそう》は突如《いきなり》少年《せうねん》を抱上《いだきあ》げた。
櫻木海軍大佐《さくらぎかいぐんたいさ》は打笑《うちえ》[#ルビの「うちえ」は底本では「うみえ」]みながらも、聲《こゑ》爽《さわや》かに
『日出雄少年《ひでをせうねん》は鐵工《てつこう》となるより、立派《りつぱ》な海軍士官《かいぐんしくわん》となる仕度《したく》をせねばならんよ。』と武村兵曹《たけむらへいそう》の膝《ひざ》なる少年《せうねん》の房々《ふさ/″\》した頭髮《かみ》を撫《な》でやりつゝ、私《わたくし》に向《むか》ひ
『兼《かね》て承《うけたまは》る、彼《かれ》の父《ちゝ》なる濱島武文氏《はまじまたけぶみし》と、春枝夫人《はるえふじん》との志《こゝろざし》に代《かは》つて、不肖《ふせう》ながら日出雄少
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