れいき》はリン/\と鳴《な》り出《だ》して、下方《かほう》の軸盤《じゆくばん》の靜《しづ》かに回轉《くわいてん》を始《はじ》むると共《とも》に、其《その》動力《どうりよく》は第一《だいいち》の大齒輪《だいしりん》に及《およ》び、第二《だいに》の齒輪車《しりんしや》に移《うつ》り、同時《どうじ》に吸鍔桿《ピストン》は上下《じやうか》し、曲肱《クンク》の活動《くわつどう》は眼《め》にも留《とま》らず、かくて其《その》動力《どうりよく》が第《だい》三十七|番目《ばんめ》の齒輪車《しりんしや》に及《およ》ぶ頃《ころ》には、其《その》廻轉《くわいてん》の速度《そくど》と、實力《じつりよく》とは、非常《ひじやう》に強烈《きようれつ》になつて、殆《ほと》んど四百四十|馬力《ばりき》の蒸※[#「さんずい+氣」、第4水準2−79−6]機關《じようききくわん》に匹敵《ひつてき》し得《う》る由《よし》、此《この》猛烈《まうれつ》なる動力《どうりよく》が、接合桿《せつがふかん》をもつて車外《しやぐわい》十二|個《こ》の車輪《しやりん》を動《うご》かし、遂《つひ》に此《この》堅固《けんご》なる鐵檻《てつおり》の車《くるま》は進行《しんかう》を始《はじ》めるのである。勿論《もちろん》かゝる構造《かうざう》で、極《きわ》めて重量《じゆうりよう》のある鐵車《てつしや》の事《こと》だから、速力《そくりよく》の點《てん》に於《おい》ては餘《あま》り迅速《じんそく》には行《ゆ》かぬ、平野《へいや》ならば、一時間《いちじかん》平均《へいきん》五|哩《マイル》以上《いじやう》進行《しんかう》する事《こと》が出來《でき》るであらうが、極《ご》く勾配《かうばい》の激《はげ》しい坂道《さかみち》では、辛《からう》じて一|時間《じかん》一|哩《マイル》位《くらゐ》の速力《そくりよく》に終《をは》る事《こと》もあらう。然《しか》し、此《この》冐險鐵車《ぼうけんてつしや》の特色《とくしよく》は水中《すいちう》の他《ほか》は如何《いか》なる險阻《けんそ》の道《みち》でも進行《しんかう》し得《え》ぬといふ事《こと》はなく、險山《けんざん》を登《のぼ》るには通常《つうじやう》の車輪《しやりん》[#ルビの「しやりん」は底本では「しやり」]の他《ほか》に六個《ろくこ》の強堅《きようけん》なる齒輪車《しりんしや》と、車室《しやしつ
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