國人《たこくじん》が入替《いれかわ》つて、此《この》島《しま》に上陸《じようりく》せまいものでもない、貪慾《どんよく》飽《あ》く事《こと》を知《し》らぬ歐米人《をうべいじん》が、※[#「一/力」、207−4]一《まんいち》にも其後《そのゝち》此處《こゝ》に上陸《じやうりく》したなら夫《それ》こそ大變《たいへん》、何百本《なんびやくぽん》の日章旗《につしようき》が立《た》つて居《を》つたにしろ、其樣《そん》な事《こと》には※[#「てへん+勾」、第3水準1−84−72]《かま》はぬ、忽《たちま》ち日章旗《につしようき》は片々《きれ/″\》に引裂《ひきさ》かれて、代《かは》つて獅子《しゝ》や鷲章《わしゞるし》の旗《はた》が、我物顏《わがものがほ》に此《この》島《しま》を占領《せんりよう》する事《こと》であらう。元《もと》より紛議《ふんぎ》も葛藤《かつとう》も恐《おそ》るゝ所《ところ》でない、正理《せいり》は我《われ》にあるのだが、然《しか》し※[#「一/力」、207−8]里《ばんり》の波濤《はたう》を距《へだ》てたる絶島《ぜつとう》に於《おい》て、既《すで》に唯一《ゆいいつ》の確證《くわくしよう》たる可《べ》き日章旗《につしようき》を徹去《てつきよ》されたる後《のち》は、我《われ》に十二|分《ぶん》の道理《どうり》があつても、一個《いつこ》の證據《しようこ》なく、天下《てんか》の承認《しようにん》を得《う》る事《こと》は餘程《よほど》困難《こんなん》であらうと思《おも》ふ。
今《いま》は左迄《さまで》に有要《いうえう》とも見《み》えぬ此《この》孤島《はなれじま》も、今《いま》より三十|年《ねん》若《もし》くば五十|年《ねん》の後《のち》、我《わが》日本《につぽん》が世界《せかい》に大權力《だいけんりよく》を振《ふる》はんとする時《とき》、西方《にしのかた》歐羅巴《エウロツパ》に對《たい》する軍略上《ぐんりやくじやう》、如何《いか》に得易《えやす》からざる要鎭《えうちん》となるかは、追《おつ》て分《わか》る時《とき》もあらう。兎《と》も角《かく》も、决《けつ》して他國《たこく》には渡《わた》すまじき此《この》朝日島《あさひじま》の占領《せんりよう》をば、今《いま》より完全《くわんぜん》に繼續《けいぞく》して、櫻木大佐等《さくらぎたいさら》の立去《たちさ》つた後《あと》と雖《
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