》海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》とは比較《ひかく》する事《こと》も出來《でき》ぬのである。今《いま》、此《この》新奇《しんき》なる海底戰鬪艇《かいていせんとうてい》は、艇底《ていてい》に設《まう》けられたる自動浮沈機《じどうふちんき》の作用《さよう》で、海底《かいてい》三十|呎《フヒート》乃至《ないし》五十|呎《フヒート》迄《まで》の深《ふか》さに沈《しづ》む事《こと》を得《う》べく、空氣《くうき》は、普通《ふつう》の氣蓄器《きちくき》又《また》は空氣壓搾喞筒等《くうきあつさくぽんぷとう》に依《よ》る事《こと》なく、艇《てい》の後端《こうたん》に裝置《さうち》されたる或《ある》緻密《ちみつ》なる機械《きかい》の作用《さよう》にて、大中小《だいちうせう》幾百條《いくひやくでう》とも知《し》れず、兩舷《りようげん》より海中《かいちゆう》に突出《つきだ》されたる、亞鉛管《あゑんくわん》及《および》銅管《どうくわん》を通《つう》じて、海水中《かいすいちゆう》より水素《すいそ》酸素《さんそ》を分析《ぶんせき》して大氣《たいき》[#ルビの「たいき」は底本では「だいき」]筒中《たうちゆう》に導《みちび》き、吸鍔棹《ピストン》に似《に》たる器械《きかい》の上下《じやうか》するに隨《したが》つて、新鮮《しんせん》なる空氣《くうき》は蒸氣《じようき》の如《ごと》く一方《いつぽう》の巨管《きよくわん》から艇内《ていない》に吹出《ふきだ》され、艇内《ていない》の惡分子《あくぶんし》は、排氣喞筒《はいきぽんぷ》によつて始終《しじゆう》艇外《ていぐわい》に排出《はいしゆつ》せられるから、艇《てい》は些《いさゝか》も空氣《くうき》の缺乏《けつぼう》を感《かん》ずる事《こと》なく、十|時間《じかん》でも二十|時間《じかん》でも、必要《ひつよう》に應《おう》じて海底《かいてい》の潜行《せんかう》を繼續《けいぞく》する事《こと》が出來《でき》るのである。速力《そくりよく》は一時間《いちじかん》に平速力《へいそくりよく》五十六|海里《ノツト》、最速力《さいそくりよく》百〇七|海里《ノツト》。かくも驚《おどろ》くべき速力《そくりよく》を有《いう》するのは全《まつた》く艇《てい》の形體《けいたい》と、蒸氣力《じようきりよく》よりも電氣力《でんきりよく》よりも數十倍《すうじふばい》強烈《きようれつ》なる動
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