であらう。有力《いうりよく》なる軍器《ぐんき》と云《い》へば、非常《ひじやう》なる爆發力《ばくはつりよく》を有《いう》する彈丸《だんぐわん》の種類《しゆるい》かしら、それとも、一種《いつしゆ》の魔力《まりよく》を有《いう》する大砲《たいほう》の發明《はつめい》であらうか。イヤ/\、大佐《たいさ》の口吻《くちぶり》では、もつと有力《いうりよく》なる發明《はつめい》であらうと、樣々《さま/″\》の想像《さうぞう》を描《えが》いて居《を》る内《うち》に、遂《つひ》に到着《たうちやく》したのは、昨曉《さくぎよう》、大佐《たいさ》の後影《うしろかげ》をチラリと認《みと》めた灣中《わんちう》の屏風岩《べうぶいわ》の邊《へん》、此處《こゝ》で、第一《だいいち》に不思議《ふしぎ》に感《かん》じたのは、此《この》屏風形《べうぶがた》の岩《いわ》は、遠方《えんぽう》から見《み》ると、只《たゞ》一枚《いちまい》丈《だ》け孤立《こりつ》して居《を》るやうだが、今《いま》、其《その》上《うへ》へ登《のぼ》つて見《み》ると、三方《さんぽう》四方《しほう》に同《おな》じ形《かたち》の岩《いわ》がいくつも重《かさな》り合《あ》つて、丁度《ちやうど》羅馬《ローマ》古代《こだい》の大殿堂《テンプル》の屋根《やね》のやうな形《かたち》をなし、其《その》下《した》は疑《うたがひ》もなき大洞窟《おほほらあな》で、逆浪《ぎやくらう》怒濤《どたう》が隙間《すきま》もなく四邊《しへん》に打寄《うちよ》するに拘《かゝは》らず、洞窟《ほらあな》の中《なか》は極《きわ》めて靜謐《せいひつ》な樣子《やうす》で、吾等《われら》の歩《あゆ》む毎《たび》に、其《その》跫音《あしおと》はボーン、ボーン、と物凄《ものすご》く響《ひゞ》き渡《わた》つた。
屏風岩《べうぶいわ》の上《うへ》を二十ヤードばかり進《すゝ》むと、正面《しやうめん》に壁《かべ》のやうに屹立《つゝた》つたる大巖石《だいがんせき》の中央《ちゆうわう》に、一個《いつこ》の鐵門《てつもん》があつて、其《その》鐵門《てつもん》の前《まへ》には、武裝《ぶさう》せる當番《たうばん》の水兵《すいへい》が嚴肅《げんしゆく》に立《た》つて居《を》つたが、大佐等《たいさら》の姿《すがた》を見《み》るより、恭《うやうや》しく敬禮《けいれい》を獻《さゝ》げた。近《ちか》づいて見《み》る
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