一大《いちだい》權力《けんりよく》を握《にぎ》る事《こと》は覺束《おぼつか》ない、一躍《いちやく》して、歐《をう》の上《うへ》に、米《べい》の上《うへ》に、位《くらい》する樣《やう》になるには、茲《こゝ》に一大《いちだい》决心《けつしん》を要《えう》する。即《すなは》ち震天動地《しんてんどうち》の軍事上《ぐんじじやう》の大發明《だいはつめい》をなして、其《その》發明《はつめい》は軍機上《ぐんきじやう》の大秘密《だいひみつ》として、我國《わがくに》にのみ特《ひとり》にあり、他邦《たほう》には到底《とうてい》見《み》るべからず、歐米《をうべい》諸國《しよこく》も之《これ》ある限《かぎ》りは、最早《もはや》日本《につぽん》に向《むか》つて不禮《ぶれい》を加《くわ》ふる可《べ》からずとまで、戰慄《せんりつ》恐懼《きやうく》する程《ほど》の大軍器《だいぐんき》の發明《はつめい》を要《えう》すると申《もう》した事《こと》を、かの時《とき》は、君《きみ》も單《たん》に快哉《くわいさい》と叫《さけ》んだのみ、私《わたくし》も一《いつ》の希望《きぼう》として、深《ふか》く胸《むね》の奧《そこ》に潜《ひそ》めて居《を》つたが、其後《そのご》幾年月《いくねんげつ》の間《あひだ》、苦心《くしん》に苦心《くしん》を重《かさ》ねた結果《けつくわ》、一昨年《いつさくねん》の十一|月《ぐわつ》三十|日《にち》、私《わたくし》が一艘《いつそう》の大帆走船《だいほまへせん》に、夥《おびたゞ》しき材料《ざいれう》と、卅七|名《めい》の腹心《ふくしん》の部下《ぶか》とを搭載《のせ》て、はる/″\日本《につぽん》を去《さ》り、今《いま》や此《この》無人島《むじんとう》に身《み》を潜《ひそ》めて居《を》るのは、全《まつた》く、兼《かね》て企《くわだ》つる、軍事上《ぐんじじやう》の一大《いちだい》發明《はつめい》に着手《ちやくしゆ》して居《を》るのです――。左樣《さよう》、不肖《ふつゝか》ながら、此《この》櫻木《さくらぎ》が畢世《ひつせい》の力《ちから》を盡《つく》して、我《わが》帝國海軍《ていこくかいぐん》の爲《た》めに、前代未聞《ぜんだいみもん》の或《ある》有力《いうりよく》なる軍器《ぐんき》の製造《せいぞう》に着手《ちやくしゆ》して居《を》るのです。』
果然《くわぜん》! 果然《くわぜん》! と私《わたく
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