黄金の腕環
流星奇談
押川春浪
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)余り気味の好《よ》いものでは無い
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)真夜中|頃《ごろ》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ルビの「おじぎみ」は底本では「ぎみ」]
−−
一 伯爵の別荘
流星の飛ぶのを見るのは、余り気味の好《よ》いものでは無い、シーンとした真夜中|頃《ごろ》、青い光がスーと天空から落ちて来る有様は、恰《あたか》も人魂《ひとだま》でも飛んで来たよう、それが眼《め》に入《い》った瞬間は、誰《だれ》でもハッと思い、流星の落ちたと覚《おぼ》しき淋《さび》しき場所へは、余程の勇士でも、何《ど》うも恐ろしくて行き兼ねると云《い》う事だ。
然《しか》るにこの流星に関し、花の様に美しい一人の少女が、世にも面白い手柄を立てた話がある。
処《ところ》は英国《えいこく》の或《あ》る海岸に、一軒の立派な家がある、之《こ》れは老貴族|松浪《まつなみ》伯爵の別荘で、伯爵は極《ご》く愉快な人物、それに三人の娘があって、いずれも絶世の美人と評判が
次へ
全12ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
押川 春浪 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング