《む》けて、熱《あつ》い印度《インド》の方《はう》へふらふら飛《と》んでゐたが、ガンガといふ[#「といふ」は底本では「といふの」]大河《たいか》の上流《じようりう》で、火傷《やけど》した口《くち》の渇《かわ》きを湿《うる》ほさうとして誤《あやま》つて溺《おぼ》れ死《し》んでしまつた。
今《いま》でも世界中《せかいちう》の鴉《からす》の口《くち》の中《なか》には、その時《とき》の火傷《やけど》のあとが真赤《まつか》に残《のこ》つてゐるといふ。人《ひと》に嫌《きら》はれながらも、あの憐《あは》れなペンペのために泣《な》いてゐるのだ。
底本:「逸見猶吉の詩とエッセイと童話」落合書店
1987(昭和62)年2月20日発行
底本の親本:「児童文学 第2冊」文教書院
1932(昭和7)年3月10日発行
※片仮名の拗音、促音を小書きする底本本文の扱いを、ルビにも適用しました。
入力:林 幸雄
校正:土屋隆
2008年6月7日作成
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