れも永い。厠神の植山《はにや》姫、水匿女《みずはのめ》も永く場を塞がれて手を焼くそうであるという。
 若い瞳がうち看守る八つの湖、春を敷妙《しきたえ》の床の花原。この間にところどころ溶岩で成れる洞穴があった。形よき穴には生けるものが住んでいた。形悪しきには死にかかっているものが住んでいた。
 彷徨《さまよ》いあぐねてこの洞穴の一つのまえを通りかかった水無瀬女は、穴の中から※[#「口+奄」、第3水準1−15−6]《うめ》き声に混ってこういうのを聞いた。
「あの方は、いのち、いのちというが、ああ、いのちは、健康であるときにのみ有意義なのだ、この病める姿の醜さ。昼も夜もそのための尽きぬ嘆きに、ああ、わたしは、わたしに残れる僅かないのちの重味にさえ堪え兼ねている」
「この堪えられない程、烈しい息切れと、苦しい動悸のする身体。つくづく情無さを感ずる。呼吸を吸い込むと胸の中に枯枝か屑のようなものがつかえ、咽喉はいらいらと虫けらが這うように痒い。その不快さ。咳、濁って煤けた咳。六つも七つも続けさまに出る。胸から咽喉へかけて意地悪い痩せこけて骨張った手が捏《こ》ねくり廻しているようだ。辛い。わたしは顔
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