頁《ページ》と並んで載っているむす子の厳格な詩的な瑞々《みずみず》しい画に就《つ》いては何の疑いもなかった。あのむす子が、精力的な西洋人の間に入って押して行く体力のほどが気遣われた。
「あの子は相変らず身体は小さい方でしょうか」
するとK・S氏は、やっぱり女親は女親だという風に見やって
「ご心配なさるな。イチロはもうあなたのお考えになっているような子供さんではありません。逞《たくま》しい立派な青年です」
もしそうならばと、かの女はまた心配になった。今度|逢《あ》った時、取り付きにくくはあるまいか、はにかむような想《おも》いをさせられはしまいか。しかしすぐかの女は、やっぱり自分の求める通りむす子に踏み込めばいい、あの子はあの子であることに絶対に変りはないと、直《す》ぐ自信を取り戻した。公園の出口へ来た。かの女は夫人に云った。
「あまり歩いてはお疲れでしょう。もう車で参りましょう」
展覧会場は満員だった。逸作の働いた紹介の方法も効果があったには違いないが、巴里の最新画派の作品を原画で観《み》るということは、人々には稀有《けう》の機会だった。
オリーブ色の壁に彩色画が七八点エッ
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