むす子の手紙二――(前略)……お母さんは余りに自分流のカテゴリーを信じようとしすぎるような気がします。だから苦しみ迷うだろうと思います。
人生はさとるのが目的ではないです。生きるのです。人間は動物ですから。(後略)
むす子の手紙三――(前略)ですからもうあんな作品を書かないで下さい。僕がお母さんを攻撃するのは、実に悪い半面をたたきつぶすのが僕の愛された子としてのつとめだと思っているからです。(お母さん、あなたは実に好い半面と悪い半面を持っています。第一義的から云ったら好いも悪いもないけれど、僕の知る厳しい人生や芸術に当てはめて見てですよ)
いくら僕が云っても、わかって呉《く》れなかったら、お母さんは自分の子のいうことさえ耳に入らないということになるのです。
今読んで打たれているコント・ド・ロートレアモン(本名イジドル・デュカス)作の「マルドロールの唄《うた》」を送ります。お母さんに読んで貰い度《た》いのです。
お母さんの、僕が不安に思う半面が、それで多少なおされやしないかと希望を持って居ります。(後略)
むす子の手紙四――(前略)僕はいわゆる××と芸術と云うものの間
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