に大きな溝があると思うのです。芸術家にとっては芸術というものしかなく、それは道徳的でも非道徳的でもないのです。
 これからの芸術家は芸術を信ずるので、××を信ずるものではないと思うのです。芸術家として××よりもっと科学的な××××だって信じ切ることは出来ないのです。芸術家が自分の眼の前に××よりも優れた芸術の姿が見えないのは、意気地のない貧弱な芸術家としか思えないのです。××より崇高な芸術が見えたら、それがすぐ××だなんて××のような理窟を云い出したら、僕は逃げ出しちゃいます。其処から又××にこだわり出して仕舞うのです。一口に云えば芸術家には人の作った××などはいらないのです。××を通して芸術を見たり、××的精神をもった生活から、果してよく芸術が生れるでしょうか。 
 アンドレ・ジードなんか一生××と戦って来たではないですか。
 今まで人間として又芸術家として××を持っていなかったものは、歴史的にないでしょう。それは勿論《もちろん》社会制度、つまりトラディションのためだったらしい。偉い芸術家はみんな最後まで××に拘泥してはいないように思うのです。彼等の芸術はあまりに大きくて、××は姿を
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