めて、ますます苦境に陥れることを心配したので、今となって超然とした、はっきりした態度を持っているお母さんなら心配しません。僕は巴里でお母さんと一緒に居た時も、「世評にくよくよするお母さんが一番嫌だ、ケチくさくって、女くさくって」とよく云いましたね。しかし、その汗や垢が余りくだらないうちは到達だとは云えませんよ。
兎《と》に角《かく》、そういう心境に到ったということは祝福すべきことです。でも、本当にそうなれましたか?
すべての自己満足を殺さねばなりません。まだまだお母さんは弱い。うちの者の愛に頼り過ぎるということは自己満足です。お父さんがお母さんに対する愛は大きいですが、お父さんの茫漠性《ぼうばくせい》が、かなりお母さんに害を与えていると思います。お父さんの茫漠性は長所であり短所であると思います。
真当に今しまって貰わなければ困ります。
小児性も生れつきでしょうが、やめにして下さい。自分の持っている幼稚なものを許して眺めていることは、デカダンです。自分の持っていないものこそ、務めて摂取すべきです。一度自分のものとなったら、そこから出る不純物、垢は常に排泄《はいせつ》するのです。
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