秋の夜がたり
岡本かの子
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)田舎《いなか》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)母|乍《なが》ら
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#「けはひ」に傍点]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)くしや/\
−−
中年のおとうさんと、おかあさんと、二十歳前後のむすこと、むすめの旅でありました。
旅が、旅程の丁度半分程の処で宿をとつたのですがその国の都と、都から百五十里も離れた田舎《いなか》との中間の或る湖畔の街の静《しずか》なホテルです。
その国と云ひましたが、さあ、日本か、外国か、今か、昔かと、それを作者はどう極《き》めませう。実は、日本でも外国でも、今でも昔でも関《かま》はないのです。この物語の真実や、真味は、さういふことに一向かまはないで作者の意図に登り、そして読者に語られようとしてゐます。だが挿画《さしえ》画家さんにお気の毒ですね。黒眼を描かうか碧眼《へきがん》を現はさうか縮毛《ちぢれげ》か延髪か描き分けよう術《すべ》もあ
次へ
全24ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
岡本 かの子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング