女性崇拝
岡本かの子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)一体《いったい》に
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)形式的|女権《じょけん》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#「うつつ」に傍点]
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西洋人は一体《いったい》に女性尊重と見做《みな》されているが、一概《いちがい》にそうも言い切れない。欧州人の中でも一番女性尊重者は十指《じっし》の指すところ英国人であるが、英国人の女性尊重は客間《きゃくま》だけの女性尊重で、居間へ入ると正反対だという説がある。
事実、英国人ぐらい文筆上で女性に対し諷刺《ふうし》や皮肉を弄《ろう》し、反感を示している国民は少い。バーナード・ショウの如《ごと》きも「人と超人」で、女性は魅力に依《よ》って男から種の胚子《はいし》を奪い取り、次の時代の超人を造ろうとする自然の意図《いと》を無意識で執行《しっこう》する盲目の使途であるというように書いている。
英国の倶楽部《クラブ》の発達というものが、家庭における主婦の形式的|女権《じょけん》の窮屈《きゅうくつ》から逃《のが》れよう
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