家庭愛増進術
――型でなしに
岡本かの子
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)同棲《どうせい》する
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)自分|達《たち》を
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]言《うそ》
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わたくしは自分|達《たち》を夫とか妻とか考えません。
同棲《どうせい》する親愛なそして相憐《あいあわ》れむべき人間同志と思って居《い》ます。そして元来《がんらい》が飽《あ》き安い人間の本能を征服|出来《でき》て同棲を続ける者同志の因縁《いんねん》の深さを痛感します。わたくしは因縁こそ実に尊《とうと》くそれを飽迄《あくまで》も大切にすべきものだと信じて居《お》ります。其処《そこ》に優しい深切《しんせつ》な愛情が当然|起《おこ》るのであります。
わたくしもわたくしの同棲者も元来が或《あ》る信念の上に立つと従順《じゅうじゅん》な人間になり生活意識や情操《じょうそう》が一所《ひとところ
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