た。その夜、客となった長者の家の奥座敷で食事後休んでいると、お蘭老女が尋ねて来た。そして話の途絶えた間、北海の浪の音を聞いていると、私はこの老婦人と一緒に永遠に四郎を待つ気持になれた。烏賊《いか》つり船の灯が見え始めた。
[#地から1字上げ](昭和十二年十月)
底本:「ちくま日本文学全集 岡本かの子」筑摩書房
1992(平成4)年2月20日発行
底本の親本:「岡本かの子全集」冬樹社
入力:さぶ
校正:しず
1999年3月20日公開
2005年11月30日修正
青空文庫作成ファイル:
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