主その他も出て来て事情を聴き、何やかや持出して来たが、僧は淡如として言った。
 ――一人の腹だ、そうは入らんよ」

         五

 国太郎が、この僧を自宅に屈請《くっしょう》して教えを乞うたのは勿論である。
 この僧は後に明治の高僧となった。



底本:「岡本かの子全集5」ちくま文庫、筑摩書房
   1993(平成5)年8月24日第1刷発行
底本の親本:「老妓抄」中央公論社
   1939(昭和14)年3月18日発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2010年2月6日作成
青空文庫作成ファイル:
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