ette race
     Tenace,
Qui veut, 〔apre`s〕 avoir voulu,
Encore, encore et encore plus.”
     “Ma race.”――Verhaelen.[#ここで横組み終わり]
[#ここで字下げ終わり]

ああどうしても
どうしても
君は生命の蛆《うじ》だ
どんらんな白い蛆だ
輝《かがや》くはがねの兜《かぶと》より頭《づ》が固く
二枚の出齒はどんなものでも噛みつぶす
ああその君こそあらゆる堅いものを
美しい日のもとに輝かすものだ
天日《てんぴ》に美しくさらすものだ
世界の光景を一變させるものだ
われはその爲めに生れて來た戰ひの子だ
かくも強い頭《づ》と出齒を獲物にもつて生れた健鬪の子だ

  男性の歌 ――十一月十七日

世界中の人が苦しい顏をしてると
自分は烈しい羞恥《しうち》の心が起る
自分は斯うしては居られない
斯うしては居られない
ニイチエは超人《てうじん》と普通人を比較して
普通人を猿として笑つた
自分が世界中の人間が猿みたいに見えると
烈しい羞恥の念が起る
自分は斯うしては居られない
斯うしては居ら
前へ 次へ
全59ページ中58ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
福士 幸次郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング