ゲルス (去らんとして)テーブルの十三番目だ
レルリング へん、くだらない
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ]ヘンリツク・イブセン『鴨』
[#地から2字上げ]明治四十五年――大正元年
心 ――一月二十五日
(大困難に逢つた時私の胸はをどる……
かなしいかな私の心は
喜びを封ずる佛《ほとけ》の火
燃えてひらくことなき灰《はひ》の像、胸の錠《ぢやう》――
鎖《くさり》はながく苦をつづり、薄暗にたれさがる鎖
目に見えぬ精靈《せいれい》のあやしさに
さけぶは苦痛の日陰《ひかげ》の鳥……)
(たえて喜びに胸ひらくことなく――
併しながら感謝します、貴方がポオを私のために得て、喜んで下さつたことを!
日陰《ひかげ》の鳥は『鴉《からす》』ですよ
ゴオホには底まで靜かに思ふ魂がある!
ポオには底まで沈む惡魔がある!
ああ誰かないでせうか、底の底まで憂鬱に胸をひらくその兄弟――
叫ばず、嘆かず、落ちてゆく兄弟!)
[#地から1字上げ]Poe の Tales を贈つてくれたS――へ
音樂師 ――一月二十五日
林は陰《かげ》つくる程枝しげり、葉は息《いき》づき――
小鳥は太陽の
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