「鉄箒」欄がいっている伝右衛門の手紙というのを引きたいが、夕刊紙かまたは他紙のであったのか、見当らなかった。震災が中にあったので、とっておいた参考紙も失なってしまったのでいまではわからない。
で、柳原家の方では、合理的処置――円満離婚の上で自邸に引取る方針だ。その上で当事者の考えで解決するといい、宮崎氏は、※[#「火+華」、第3水準1−87−62]子はきっと保護する。ただ父に(滔天《とうてん》氏)叱《しか》られはしまいかと、いかにも若々しい学徒の純情でいっている。
厨川白村《くりやがわはくそん》氏の「近代の恋愛観」が廿回ばかりつづいて、やはり『東朝』に出ていた時分だったので、白村氏は「鉄箒氏」に答えて、
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――今日の見合いの方法に、改良を加え青年男女に正当な接触を与えるのが、今日の社会のために望ましい事である。私は本紙に、近代の恋愛観というのを草《そう》し、連載中※[#「火+華」、第3水準1−87−62]子事件突発。近代生活の重要な問題として、概括的に一般に恋愛と結婚について述べたかの一文の中に、今回の事件について、凡《すべ》て私の見解にはあまり明瞭《め
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