第3水準1−87−62]子さんは、お父さまにつかえているつもりだといって、平生《へいぜい》からさびしそうにしていたが、(私が)妾《めかけ》になったのもうけだされたのも、奥さまからなので、嫌《いや》だけれど納得したのに――
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といっている。
 廿三日附朝刊には、論説も「※[#「火+華」、第3水準1−87−62]子事件について」とあって、その概略をつまんでみると、
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※[#「火+華」、第3水準1−87−62]子の事件はあくまで慨嘆すべきものか、あるいはかえって謳歌《おうか》すべきものか、吾人《ごじん》はこれを報道した責任として、ここにいささか批評を試みたい。(略)
彼女の精神生活は甚だ同情すべきものだが、技巧と粉飾が臭気の高い歌で訴えるように事実苦しみぬいていたかどうか。(略)この行動が、はたして自動的か他動的か、これもまた批判してその価値をさだめる有力な材料でなくてはならない――
――※[#「火+華」、第3水準1−87−62]子事件の真相と※[#「火+華」、第3水準1−87−62]子の思想とによってわかるるものと思う。更に細論の機会をまたんと
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