凡愚姐御考
長谷川時雨

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)撓《た》めた

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)奴|氣質《かたぎ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)パリ/\
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 義理人情の美風といふものも歌舞伎芝居の二番目ものなどで見る親分子分の關係などでは、歪んだ――撓《た》めた窮屈なもので、無條件では好いものだといひかねる。立てなくつてもいい義理に、無理から無理を生ませてゐる。人情にしてもまことに低級卑俗だ。大局とか、大義とか、さういふものには眞つくらで、ただ、ただ親分のためとか、顏が立たぬとかでもちきつてゐる。しかも、その親分、いかさまでない實力と、金のはいるのは昔から曉天《ぎやうてん》の星のやうで、花川戸《はなかはど》の長兵衞をはじめさうした人たちは、人間としても一人物であり條理もわかりさうだが、そのほか、野
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