平塚明子(らいてう)
長谷川時雨
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)如何《いかが》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)芽|生《ば》え
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「奇+支」、第4水準2−13−65]《そば》だたせた
−−
一
らいてうさま、
このほどお体は如何《いかが》で御座いますか。爽《さわ》やかな朝風に吹かれるといかにもすがすがしくて、今日こそ、何もかもしてしまおうと、日頃のおこたりを責められながら、私は、貧乏な財袋《さいふ》よりもなお乏しい頭の濫費をしつつ無為な日を送っております。
御あたりはお静かでございますか。田舎《いなか》での御生活は、どこやら不如意《ふにょい》なようでいて、充実されたものであろうと、お羨《うらやま》しくぞんじます。あなたのお体にもよし、御家庭にもしみじみとした味の出た事と存じます。お子さまがたは、御自分たちのお母さまとして、日夜お傍《そば》に親しむことのお出来になるのを
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