尼たちへの消息
――よく生きよとの――
長谷川時雨

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)消息文《せうそくぶん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)白米《しらよね》一|駄《だ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「けものへん+爰」、第3水準1−87−78]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)そも/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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 日蓮聖人の消息文《せうそくぶん》の中から、尼御前《あまごぜ》たちに對《あた》へられた書簡を拾つてゆくと、安産の護符《ごふ》をおくられたり、生れた子に命名したりしてゐて、哲人日蓮、大詩人日蓮の風貌躍如として、六百六十餘年の世をへだてた今日、親しく語りかけられる心地がする。もとよりこの尼御前《あまごぜ》たちは在家《ざいけ》の尼たちであるが、送られた手紙は、文章も簡潔で實に好い。それよりもよいのは、寄進《きしん》された品目《ひんもく》をいつも頭初《はじめ》
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