朝散太夫の末裔
長谷川時雨

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)朝散《ちょうさん》太夫《だいぶ》とは

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)五|品下《ほんげ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#「このわた」に傍点]
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 朝散《ちょうさん》太夫《だいぶ》とは、支那唐朝の制にて従《じゅ》五|品下《ほんげ》の雅称、我国にて従五位下の唐名《とうめい》とある。
 太夫とは、支那周代の朝廷及諸侯の、国の官吏の階級の一、卿《けい》の下、士の上に位《くらい》すとある。もっと委《くわ》しく、博学《ものしり》らしく書きたてると、支那唐代の官職に依る貴族の階級中、従二品より従五品下までの名目《めいもく》だった語で、従二品が光禄《こうろく》太夫、正三品が金紫光禄太夫、従三品銀青光禄太夫、正四品上が正議《せいぎ》太夫、正四品下が通儀太夫、従四品上が大中太夫、同下が中太夫、正五品上が中散太夫、下が朝議太夫、従五品上が朝請太夫、下が朝散太夫ナリである。
 我国|右近衛将監《うこんえしょうげん》を右近太夫、公卿の子でまだ官位のないのを、い
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